車検制度は自動車の安全性と環境性能を確保するための重要な制度ですが、「いつから車検を受ければよいのか」という点は多くの車所有者が疑問に思うところです。車検の適切な時期と計画について解説します。
まず、車検の基本的なサイクルを確認しておきましょう。新車登録時には3年間有効の車検証が発行されます(軽自動車は2年間)。その後の車検は2年ごとの更新となります。つまり、普通車であれば「3年→2年→2年→…」というサイクルで車検を受ける必要があります。
車検の有効期限は車検証に明記されています。例えば「令和7年5月21日」と記載されている場合、この日が次回車検の期限となります。重要なのは、この期限日までに新しい車検を完了させる必要があるという点です。期限を過ぎて公道を走行すると、無車検運行として罰則の対象になります(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。
では、車検はいつから受けられるのでしょうか。法律上は、現在の車検期限の1ヶ月前から車検を受けることができます。この1ヶ月間を「車検の有効期間の前期間」と呼びます。例えば、車検期限が5月21日の場合、4月21日から新しい車検を受けることが可能です。
実際には、この1ヶ月の前期間中に車検を受けるのが一般的です。余裕を持って手続きを行うことで、万が一の不合格や修理が必要になった場合でも、期限内に対応することができます。特におすすめは期限の2〜3週間前に車検を受けることで、これにより十分な余裕を確保しながらも、次回車検までの期間をあまり短くしないバランスの良い選択となります。
なお、前期間中に車検を受けた場合でも、次回の車検期限は現在の期限から正確に2年後に設定されます。例えば、5月21日が期限の車を5月1日に車検に出した場合、新しい車検証の期限は2年後の5月21日となります。つまり、早めに車検を受けても損をすることはありません。
ただし、1ヶ月を超えて早く車検を受けることはできません。どうしても1ヶ月以上前に車検を受ける必要がある場合は、「構造等変更検査」として申請する必要がありますが、これは一般的ではありません。
車検の計画を立てる際は、自分の予定だけでなく、車検場や整備工場の混雑状況も考慮すると良いでしょう。特に月末や年度末は混雑しやすい傾向があります。
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