車を売却する際に見落としがちなのが「自動車リサイクル預託金」の扱いです。この預託金の仕組みと売却時のポイントについて解説します。
自動車リサイクル預託金とは、使用済み自動車のリサイクルを適正に行うための費用として、車の所有者が前払いする制度です。2005年以降に販売された新車はすべて購入時に支払い済みとなっており、その金額は車種によって異なりますが、普通車で1万円〜1万8千円程度、軽自動車で7千円〜1万2千円程度が一般的です。
この預託金は、フロン類の回収・破壊、エアバッグ類の回収・リサイクル、シュレッダーダスト（破砕後の残渣）のリサイクルなどの費用に充てられます。重要なのは、この預託金は原則として「最終所有者」が返還を受ける権利を持つという点です。
車を売却する場合の預託金の扱いは、売却方法によって異なります。ディーラーでの下取りや買取業者への売却の場合、通常は「預託金も含めた価格」で買取額が設定されるため、預託金は買取価格に含まれていると考えるべきです。契約書に特別な記載がなければ、預託金の返還請求権は買取側に移ります。
一方、個人間での売買の場合は、売主と買主の間で預託金の取り扱いを明確にしておく必要があります。一般的には、預託金込みの価格で取引されることが多いですが、契約書などで明確にしておくと後々のトラブル防止になります。
預託金の確認方法としては、車検証と一緒に保管されている「自動車リサイクル券」で金額を確認できます。また、「自動車リサイクルシステム」のウェブサイトでも、車台番号を入力することで預託済みの金額を確認することが可能です。
車を廃車にする場合は、最終所有者として預託金の返還を受けることができます。返還手続きは、指定引取場所に車を引き渡した後、自動車リサイクルシステムのウェブサイトや電話で申請することで行えます。返還までは約1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。
車の売却時には、買取額だけでなく、リサイクル預託金の扱いも意識しておくことで、より適正な取引が可能になります。
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