会社や個人事業主が所有する業務用車両は、減価償却資産として扱われます。この「減価償却中」の車を買い替える場合、税務上どのような扱いになるのでしょうか。
減価償却とは、車などの資産の取得費用を耐用年数にわたって分割して経費計上する方法です。法人税法上、乗用車の耐用年数は一般的に6年とされており、この期間内に買い替える場合は特別な処理が必要となります。
まず、減価償却中の車を売却すると、その売却価格と帳簿価額(取得価額から減価償却累計額を引いた金額)との差額が発生します。売却価格が帳簿価額より高ければ「売却益」として課税対象になり、低ければ「売却損」として経費に計上できます。
例えば、300万円で購入した車を3年間使用し、150万円分を減価償却した後に100万円で売却した場合、帳簿価額は150万円となり、50万円の売却損が生じます。この損失は確定申告で経費として計上できます。
買い替え特例を利用すると、新しく購入した車の減価償却費を圧縮することで、税負担を繰り延べることが可能です。ただし、この特例の適用には一定の条件があるため、事前に税理士に相談することをおすすめします。
また、環境性能の高い車への買い替えの場合、エコカー減税や補助金などの恩恵を受けられる場合もあります。これらを上手く活用することで、買い替えコストを抑えることができるでしょう。
減価償却中の車の買い替えは、単なる車の交換以上に税務上の影響が大きいため、計画的に進めることが重要です。
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